ああ、はいはい。じゃあ次は「平官(편관)」ですね。今までは「正官(정관)」の話もしていましたから。ええ、普通に読めば「평관」ですが、名리用語では「偏官」と書く、そういう話です。で、これをどうやって訳すかというと、やはり「名誉を追いかけるもの」みたいな感じがありますよね。日干が克(극)する五行で、しかも陰陽が異なるものを「偏官」と言います。英語でいうと…そうですね、「ブッ飛んでる名誉欲」みたいにもなる(笑)。
とにかく、名誉をいのちがけで重視するインジャ(要素)が「偏官」だと考えてください。一般的にも「人は死後、名を残したいものだ」「名誉は命より大事だ」といった言い回しがありますよね。そういうのを地でいくのが偏官でしょう。例えば、超有名な英雄や烈士みたいな人は、まさにそのパターンです。
で、普通の人でも「偏官をうまく使う人」は名誉を獲得しようとする行動をとります。だからイン性(印星)が強いとどうとか言いますけど、そこはまた理屈が絡むので、単純化はしません。要するに、偏官を持つ人は「名誉を守るために、あるいは高めるために動く」んだと思ってください。それが例えば、おいしい店を開いた友人がいても、その人はそこに食べに行かない、みたいな面もあります(笑)。どういうことかというと、近すぎる関係だと名誉として扱われない、要するに“ちょっと見下される”ような気がして、本人的に「名誉欲を満たせない」んですね。親密な人間関係ほど名誉を感じにくいので、そういう人はむしろ初対面の場所や、よそで高く評価されるのを好むわけです。
それって“イエス様も故郷ではまったく尊敬されなかった”みたいな話にも通じる。つまり地元では一緒に育ってきた連中が「別にあいつすごくないよ」みたいに扱うので、名誉が得られない。だから名誉を重視する人は、むしろ新しい場所で自分を高く評価してくれるところへ行きたがるわけです。そういう心理が「偏官」の特徴なんですよ。
なので、偏官の人はあちこち移動して回って、「自分を高く扱ってくれる所」に身を置こうとする。それが古い時代であれば、外に出て出世するとか、そんな感じだったでしょう。そういう性質を「イエス様の故郷での扱われ方」とか「郷里に帰らずに外へ行く」とかで例えるわけですね。
このように“名誉を守る・得る”のが大切だから、もし身近な友人や地元で「おまえなんか昔から知ってるぞ」と雑に扱われたら嫌がるんです。そういう意味で偏官が強い人はむしろ、「自分をよく知らない、初めて会う場所」や「自分を持ち上げてくれるとこ」で活動したがるんですね。そしてそこで自分の名誉を確立したい。
いろいろ観察していると、いわゆる「偏官持ち」の人はやたらと権威づけが好きだったりするし、「家では暴れん坊、外では威張る」の典型的な人もいれば、いい方向に使えば軍人や警察官、検察官など、社会的にとても役に立つ立場で働く場合もある。名誉を追う分、それが公共の秩序を守るパワーになったりするわけです。
ただし、それを私的に使えば暴力や恐喝にもなる。要するに同じ偏官のエネルギーを「公に使う」か「私に使う」かで大きく変わるんですね。警察・検察・軍人等が正しい手続きで名誉を得ているときは良いが、ヤクザ的に暴力をふるうなら社会悪になる、と。
だから昔の書物とか見ても、偏官を「七殺(チルサル)」とも呼び、「殺気だ」とか「剋だ」とか言いますよね。それくらい強烈な名誉要求があるからです。で、それが具体的にどう働くかは、その人の四柱全体を見ないと分からない。身強の人なのか、身弱なのか、別の星がどう支えているかで変わるので、単に「偏官があるから暴力的」みたいに一括りにはできない。でもいずれにせよ、“名誉”をめぐって動くのは確かだと。
しかも現代においては、国境を自由に移動できるし、ネット社会でいくらでも外へ向かえるから、偏官持ちの人はむしろチャンスが多いですね。昔なら「こいつどこの村から来た? 通行許可あるのか?」みたいに縛られたけれど、今は国際線の飛行機も簡単に乗れたりするから、どんどん外に出て名誉を得ようとする。そうやって活躍する人が多いんですよ。
で、さらに具体的に言えば「偏官(병관)」というと軍人・警察・検察・政治家・大企業の会長…まあ“権力を扱う”のがうまいです。名誉を得る力が強く、それが社会に合致すれば出世する。もし合わなければ暴力団とか犯罪にもなる。そんなふうに整理できます。
また、女性が偏官を多く持つ場合は、活発で対外活動が多い人もいるし、いろんな苦労をしたり早婚早離婚したりという話もあるけれど、一概には言えません。ただ“陰陽の反発”があって、自分の内面から出る意欲よりも、外との関わりで盛り上がりやすい、という要素はありそうです。だからうまく自分を活かせる職業につけばよいし、家の中にずっといるとストレスが溜まりやすいなど、そういうことが起こりがちではあります。
結局、偏官があると「動き回って競争し、名誉を取りたい」という発想が強いんですね。だから昔は“旅人”だったかもしれないし、今なら営業マンや海外出張が多い人かもしれない。いずれにせよ、じっとしていて名誉が得られないなら別の場所へ行く、という行動をとる人が多いわけです。
そして大切なのは、そういうメカニズムを知ったうえで、偏官持ちの人が「外で評価されたいから出て行くんだな」と理解すること。逆に「地元で昔からの仲間に軽く扱われると嫌がるんだな」とか。「近しい相手ほど名誉を認めてくれないから、なんだかモチベーションが出ないんだな」と分かっておけば、無用なトラブルや対立を防げるかもしれません。
あとは、偏官が強い人って他人に意見されるのも嫌ですし、自分が常に主導権を握りたいし、出世も好き。だから会社員を続けても、先輩や上司の顔色をうかがうのを嫌がって転職がちにもなる。身が強ければそれを押し通せますが、身が弱いとストレスで病気になったりする。そういうパターンもあり得ます。
こうした性質を理解すれば、「偏官あるある」でエピソードを見分けられるようになるわけです。ちなみに昔の農村社会では「偏官をうまく使う人」はほんの一部だったけど、現代はネットと交通の発達で地域をまたいだ活動がしやすいぶん、多くの偏官持ちが力を発揮している—そんなふうに説明できます。
だいたいこんなところでしょうかね。まあ次に「正官との違いは…」とか話そうとすると長くなるので、この辺で終わりにします。偏官については「名誉を命がけで求める人」、これがキーワードになります。次は「正官(정관)」や「七殺(チルサル)」の更なる応用とか、そういう話に進もうと思います。
はい、ここまでです。
(音楽SE終)
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以上が、該当テキストの日本語訳です。朝鮮語特有の繰り返しや補足が多い口調をできる限り再現しつつ、意味が分かるよう整えています。
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