45合について

[音楽SE] ええ…はい…[音楽SE]

はい、それでは…ええっと、18ページだか19ページだか、ちょっとページ番号が合わないところもありますが。で、ここで扱いたいのは「能力」とか「ジェンガ」とか、そういう話でしょうかね。ま、もともと合(ごう)というのは何でもいいもの、というふうに言われがちなんですよ。なぜ合を良いものと見るかというと、それによって“力が強まる”とか“勢力が拡大する”というふうに考えられるからですね。でも、むやみに大きな力とか勢力が生まれて、自分の味方が増えたからといって、結局は自分がその分いろいろ引き受けざるを得ず、思うように行動できずに息苦しさを覚えることになる――そういう面もあるんです。そこを頭に置いて合を学ぶと、単純に「いいぞいいぞ」とばかりは言えないよ、ということですね。
とはいえ、合というものをまったく知らない段階では、「ん、合って何?」となりますよね。AとBがあって、たとえばAが“私”だとしたら、Bが私の方に合してくる=合わさってくる――そうやって私の勢力が強くなるわけです。要するに味方が増える状態ですよね。味方がつけば、いっけん力は増しますよ。だけど先ほど言ったように、私自身は自分勝手に動きにくくなる。いろいろ絡まって苦しい面もある。それが合における特徴で、ここを分かっておかないと、闇雲に「合はいいですよ」と言ってしまいがちなんです。でも実際にはそうでもない。良い面もあるし困った面もある――そういう性質です。

「合」というのは、サジュ八字や大運で出てくる十干や支同士の結合を意味します。
社会生活で言えば、人間関係がくっつくようなイメージと見てもよいし、十二支(または天干)どうしが仲良く合わさる――いわゆる合をつくる、ということです。

たとえばAとBが合したら、それがいわゆる「タワー(合力)」になって私の勢いを増す。でもさっき言った通り、それは自分の独立行動を縛られる面があるわけです。「孤独でいたい」という話を前回したと思いますが、道元先生(※1)の講義でもそういうふうに表現なさってたかもしれない。人間は、一人で自由にいたい部分があるんだけど、味方や仲間が増えれば増えるほどしがらみも増え、勝手がきかなくなる。そこが“合”の背後にある本質です。

だから合というものは、単純には「いい」「めでたい」だけじゃなく、その後ろには“束縛感”がつきまとい得る、と考えておくといいですね。
「じゃあ合とは何か?」サジュ八字や大運、流年の十干や十二支が合わさることを言います。社会生活の人間関係と似たイメージで、“私と向こうが組む・手を結ぶ”という感じ。で、合が起こるとどうなるか――勢力が強まったり味方が増えたりするが、同時に縛られる。こういうかたちです。

そして「合だから必ず結果が出る」と思う人もいますが、そうとも限りません。結果が具体的に出る合もあれば、いまいち不発に終わる合もある。そこはさらに運(タイミング)の条件がそろうかどうか――季節やほかの干支などがどう絡むかで変わってくる。実際のところ合が効くかどうかはケースバイケースですよ、と。
だからいまだに「合が起これば無条件にラッキー!」と思い込む人がけっこういるわけです。でも実際は何らかの“成り立つ条件”が必要だし、仮に成り立っても「その分しがらみが増す」という面もあるんですね。


ではもうちょっと進んで、
「合が成立すると具体的に何が起こるのか」
みんな未来が知りたいわけですから、「合でどういう現象になるか」を気にするでしょう。合が起きると、さっき言ったように“化”して何らかの五行とかパワーができる可能性がある。たとえばAとBが合して「火を生む」とか「金を生む」とか。そういう五行が生まれたとすれば、結果として(たとえば)名誉を得られるとか、お金が増えるとか、あるいは人間関係が拡大するとかね。だから概して合は「悪くない」と見られる。一方で、合したけれど実質的に“化”しない場合もあり、そうなると空回り、ということもあります。
その結果、「何かが得られるなら合は吉」→「得られないならあまり意味がない」とか、さまざまに解釈されるわけです。でも結局は、“動きが生じる”ということなので、運の波に合っているときはメリットが大きい、そうじゃないときはむしろ煩わしい――そこが大事なんですよ。

やたら「合=めでたい」とするのも、昔からの一面的な言い方ですね。現代の複雑な環境で見るなら、合がもたらすプラス面とマイナス面を両方考えておくべきだ、というところでしょう。


それから「合というものをまともに学ばずにサジュを語る人がいるけれど、それでは細かいところまで分からない」というのも確かですね。合が関係する場面は多いのに、そこを知らないと“合が成立するのか不成立なのか”で大きく違うし、たとえば「月支との合がめちゃ強く働いて、流年でバシッと人間関係が固まる」みたいな展開もあり得る。
だから合をしっかり学ばなきゃいけないんですが、それを学んだだけではまた混乱してしまう。なぜかというと、合はあってもその“化”が成り立たない場合があるからです。「合が成立しても結局トラブルばかりだった」みたいな話ですね。
実際、私のところに相談に来る10人のうち3人くらいは「サジュが弱いから用神がどうこう」と言いに来て、あとの2人くらいは「格局か何か…」とか、さらに2人は「合が気になる」という、そういうふうにいろんなパターンが来るんですよ。そういう場面で、きちんと合がどう働くかを見極めないといけない。

さて、合とちがって“冲・刑・破・害”みたいなのもあるでしょう。合は「くっつく」、冲は「ぶつかる」、刑は「ケンカする」、破や害は「小競り合い」とか、細かく分類されますが、合は“くっつくことで勢いが出る”という性質をもちます。そこが最大のポイント。
でも繰り返し言うように、勢いが出たらいいかと言うと、一方では自分がこき使われる、または自由を奪われる。そういう実際面があり得る。
だから「合をよく見て、ちゃんと自分にメリットが出るのか、それとも足かせになるのか」を見極める必要がある、ということですね。


一方で「会合」や「三合会局」だの、いろいろ言葉がありますが、ざっくり言うと:

  1. 三合――たとえば申・子・辰で水局、寅・午・戌で火局、といった“大きな勢力”をつくる合
  2. 六合――「子と丑」「寅と亥」などセットで結びつく合
  3. 単なる支同士の合――たとえば卯と戌が合するとか、そういう軽めのもの

などなど……細かくは今後の説明になりますが、とにかく「うまく結ばれると大きなパワーを発揮する」というのが三合や六合。逆に、形だけ合の姿はあっても中身がうまく“化”しない合もあるわけですね。だから実例をよく見ていく必要があるんです。



現実的には、「こういう合が来るんだけど、ちゃんと実を結ぶかな?」→「いや、実は周辺の要素がダメだから不成立だよ」とか、そういうやり取りが出てくるわけです。
しかも昔は四柱と季節だけ見て「ここはぴったりだから合して化するね」みたいに簡単に言えたかもしれませんが、今は社会が複雑ですし、個人の状況(職場や経済力など)が絡むので、そう単純でもない。だから「合を成すには、日常的な条件が必要」と私は言っているわけです。

で、こうした「合」の理屈も、昔の名利学者は昔なりの理屈で使ってきたけれど、現代にはそのまま当てはまらない面が多い。ここをアップデートしましょう――というのが私の主張です。
たとえば合が出たからといって、すぐ「結婚する時期ですよ」みたいなことは、もう現代では言えないわけです。結婚しない人だって多いですし。どういう形でその“合”が日常に現れるかは人それぞれです。


最後に、だからといって「過去の理論が全部間違いだ」とは言いません。昔は昔で筋が通っていたし、合はやっぱり合です。ただ現代に生かすには、そこに「本人がどういう状況で、どういう選択をするか」という観点を加えなければならないということ。
要するに「合がある→イコールめでたい」と一方的に決めつけないで、状況しだいで制限される面、損をする面も考慮するわけです。するとより柔軟にサジュを読めるはずです。

次回、あるいは次の講義では、じゃあ実際に「干支同士が合したとき何が起こるの?」という具体例に入ります。たとえば「甲と己が合して土化するかどうか」とか、「乙と庚がどうこう」とかね。その際、合が成就して初めて実利を得るのか、それとも“化”しきれずにただ縛りが発生するだけなのか、こういった点を検討しないといけませんね。
まあ、こんな感じで、とりあえず今回は「合とは単にいいことばかりではなく、力が強くなるが不自由にもなる」という本質を押さえていただければ十分かと思います。

では、今回のところはここまで。はい。[音楽SE]

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占い師として活動しています。皆様を開運に導きたいと思い運営しています!最高の人生のお助けを出来れば嬉しいです。占い・開運・スピリチュアルを紹介しています。神社口コミ機能を頑張って更新中ですがお待ち下さい。

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