えー、はい。では今回、オル(乙)とキョン(庚)の合、いわゆる「乙庚合」について訳していきます。
はいはい、それでは…[音楽 SE]…
合の話に入るんですが、今回は「乙庚合」の場合ですね。これがいったい何なのか――ざっくり言うと、金が木を克する(金剋木)とも言われますし、ただ “乙庚合” だからといって自分で勝手に「スゴイ!」とか解釈しないんですよね。
本にはこんなふうに書いてあるんです。例えば、
「乙庚合が命式にあると、わりと度胸があり剛直な性格になりやすい。義を重んじる感じで、いつも正義の側に立ちたいとか、人間関係で広い視野を持ちやすい。とくに男性のケースだと、そういう“義理堅さ”でガシッと人が付いてくる。しかし命式の構成しだいでは、義にこだわりすぎるあまり周囲と行き違いを起こして、人間関係が最後うまくいかない。名誉や面子をすごく気にするあまり空回りする場合もある」
――こういう解釈が述べられています。
つまり、「乙庚合なら絶対こんな良い性格になる」などと単純化できなくて、反面、デメリットもあるよ、という話です。
たとえば「乙庚合 → 金が木を制す(金剋木)だから、どうこう…」と言う人もいれば、「いや、乙+庚で火化(丙や丁)になるんじゃ?」というような言い方をする人もいます。でも実際は、合の結果がどう“化”するかは条件しだいだし、命式全体や大運・流年にも左右されるんですよね。
- 乙と庚が命式内でがっちり合になった場合
- 乙が日柱で、庚が大運や流年でやって来た場合
- 他の人の命式との組み合わせで乙庚合になる場合
ざっと大きく分けてもそれくらいあるんですが、古典的には「乙庚が合すると陰陽がどうこう…」とか、「木金の合だからこうだ…」とか語られてきました。
ただ実際は、合にはプラス面もあればマイナス面もある。文面にあるように、「度胸があるけれど頑固」「義理人情が強いが、頑なすぎて衝突する」みたいな矛盾した要素が同居しやすいんです。
それでさらに、乙庚合だからといって必ずしもホイホイ“化”するわけじゃない。木と金が合わさって結果的に火になるとか土になるとか、いろんな流派がいろんな言い方をしてますが、現代の私たちからすると「そんなに簡単に化しないことも多いよね…」というのが本音なんです。
話を具体的に見ると、
乙庚合の人が命式にあって、わりと「強情」「義理堅い」「押しが強め」と表現されがちなのは、「木(乙)のしなやかさ + 金(庚)の剛直さ」という組み合わせゆえとも言えます。
ただし命式しだいで、“義”を振りかざして空回りしたり、面子や名誉を気にしすぎて疲れてしまったり、そういう展開も起こりうる。
だから「乙庚合があれば絶対良い・最高だ」なんてことはなく、一種の「大義名分や名誉」に執着する性格になりやすいが、それがプラスに出るかマイナスに出るかは人それぞれです。
それと男性・女性でまた微妙に違います。男性が乙庚合を持つと人をまとめやすい反面、女性が乙庚合を持つと「ちょっと気が強い」「または義理人情に縛られる」などのパターンになったりします。
結局は運の流れや命式内の他の干支との兼ね合いを考慮しないと断定できません。
もう一つ踏み込むと、大運・流年で乙庚合が成立する場合、「たとえば庚が巡ってきて乙と合になり、そこからどんな五行に“化”するのか?」も人によります。
「金に化するのか火に化するのか土に化するのか」――流派で言い方も違うし、実際そんなにスパッと“化”しない場合もあるんです。
そこで“合が成立して勢力が強まって、結果的にこの人はこんな生き方をする”という場合もあれば、“合が生じたけどかえって衝突や疲弊を招いた”という場合もある。
そこまで考えて見るのが、現代的な乙庚合の扱い方なんですよね。
訳文中で言及されている「何か仲間が増える」「金が強まって身動きとれない」「合のせいでかえって不満が増える」などは、いずれも「乙庚合による裏面」の一例です。
また「男なら義を通しすぎる」「女なら頑固で折れにくい」みたいな話も、古典的にはよくある乙庚合のイメージです。
いずれにせよ、それらが“絶対に発生する”わけではなく、命式全体を見て初めて「この合は本当に有効に働きやすいのか、単に苦しさを生むのか」が分かる、ということですね。
それをわかったうえでテキストの「乙庚合でこういう面がある/こういう弱点にもなりうる」を読んでいくと、まぁ納得感が増すと思います。
たとえば乙庚合で運が回ってきた人が急に“義理堅い自分”を発揮しようとする一方で、その結果身近な人間関係をこじらせる…なんて事例も実際にありますし。
ざっとまとめると:
- 乙庚合といっても、単純に「良い合」ではない。
- 「義・名誉・度胸」などの象意を帯びやすいが、合が火や土などに“化”するかは命式・大運・流年しだい。
- 場合によってはプラス面(わりと人が付いてくる・正義感がある)も出るし、マイナス面(押しが強すぎ・こじれ)も出る。
そういうことで、乙庚合はなかなか面白い合なんだけれど、名誉や面子を気にしすぎる人が多いので、衝突とか無駄にエネルギーを消耗しやすい、そんな議論がずっとされてきました――
という感じです。
ええ、それでは乙庚合に関してはこれくらいで。はい、終わりまーす…[音楽 SE]
コメント