(音楽SE)
さて、今回は「편인(偏印)」について見てみましょうか。
まず、いわゆる「인성(印星)」に関しては以前もちょっと話しましたが、簡単にいうと「正印(정인)」と「偏印(편인)」があり、どちらも“学び・知識・資格・文書”などと関わる星とされるんですよね。で、「正印」は真面目にコツコツ知識を積み上げるとか、勉強を長く続けるとか、わりと安定感・正統感があるのに対し、「偏印」はもう少し型破りというか、興味が出たときだけ動く、発想が自由で独特……みたいな特徴を持ちます。
◇偏印とは? 一言でいえば、偏印を持つ人は「一般的なやり方とは少し違うやり方で、必要な知識や技術を身につけるタイプ」だったり、「自分の目的に合わせて動くけど、興味がなければなかなか動かない」なんて面があります。
うんと極端にいえば「自分なりにあれこれ考えて、準備ができたら一気に動くけど、そうじゃないときは全然動かない」。それが古い社会だと“のろい”とか“融通がきかない”とか見なされて損をしてしまうかもしれません。逆に現代の多様な社会なら、その独特のセンスが発揮されて「専門家」として活かせる場合が多い、というわけです。
◇偏印の“研究熱心さ” 例えば古い狩猟採集の社会で、やたらと自分だけ方法を工夫してこだわるとか、あれこれ時間をかけて道具を改良してみるとか、そういうタイプは「行動が遅いじゃないか」と見られてしまうかもしれない。だけど実際は、「より効率的な道具を作る」とか「新しい方法を研究する」というふうに、思考・研究には非常に熱心だったりするわけです。
つまり、表面的には動きがのんびりしているようでも、内面では深い思考が進んでいる。で、技術やノウハウを蓄えて“職人”や“研究者”として大成するケースもあるんですね。
◇現代社会の偏印 現代社会は“スピード”が重視されがちですが、それでも偏印をもつ人が意外と重宝されたりします。たとえば本当に専門的な研究・技術を究める仕事であれば、偏印ならではの“自分なりの研究スタイル”が活きて、トコトン突き詰めて成果を出す可能性がある。
医師や研究者、エンジニアなどで「すごい成果を上げる人」は、偏印を強くもっているケースが多かったりします。また、芸術や職人の世界でも「自分の世界に没頭してあれこれやるうちにものすごい作品を生み出す」とかね。
◇子どもに偏印がある場合 子どもの段階で偏印が強いと、親から見ると「なかなか行動しない」とか「興味を持たないと勉強しない」とか、ちょっと心配になったりします。
昔の社会なら「みんな同じ速度で学ばなくては」「同じやり方でやらなくては」とされたので、“のろい”“何やってるか分からない”なんて思われがちだった。でも実はゆっくり思考をめぐらせていて、あるとき技術や知識を一気に身につけるタイプ、ということもあるんですね。
だから親御さんが「この子は発達が遅いのでは」「障害があるのでは」と早合点しすぎないほうがいいかもしれない。偏印的な子どもは「自分なりのやり方」で力を発揮するタイプなので、むしろ急かさず観察して、ハマれる分野を探してあげると大器晩成になる可能性があるわけです。
◇学者・職人タイプ 偏印を持っていると、専門分野にのめり込みやすいから、研究者・発明家・芸術系・あるいは高い技能を要する職人、などで独特の活躍をすることも多いんです。日本でも「博士号を持っているけど変人だ」とか言われる人は、偏印を強くもっているかもしれない、というイメージですね。
ただしまわりの理解がないと、そこまで続けられずに終わることもある。または現代韓国の社会では「みんな早く成果を出さなきゃ」と急かされて、偏印型の人はなかなかしんどい思いをするかもしれません。一方でキッチリ合う分野に行けば大化けする可能性もある――そんな特性が「偏印」なんですね。
◇家庭・仕事での偏印 偏印の人は「自分の都合で動く」部分があるので、安定会社員というよりも、もう少し自由度の高い仕事が合うといわれがちです。もしサラリーマンを続けても、なかなか周囲に合わせきれず、転職を繰り返したり、あるいは専門部署で静かに研究する形に落ち着くなど。
それに「人情」とか「他者へのサービス」というよりも、あくまで自分が納得できるかどうかが大事になりやすい。だから他の星のバランスによっては、少し冷たく見える人もいるかもしれません。でも深いところでは「じっくり考え、納得したらものすごい行動力や技術を発揮する」という面もあるのが偏印です。
◇まとめ ・偏印は「インスピレーション型の学び」「自分基準のノウハウ蓄積」。
・他人から急かされるのは苦手。自分の興味がわけばすごい力を出す。
・研究者・技術職・芸術家などで能力を発揮するケースが多い。
・子どもに偏印が強い場合、親から見ると動きが遅い・興味が偏っているなど不安に思いやすいが、よく観察してハマれる分野を見つければ大成することもある。
・昔の社会では「のろい」「変わり者」とされがちだが、多様性がある現代なら才能として活かせる可能性大。ただし、韓国社会の“スピード重視”では苦労する場合も。
・行動していないようでも頭の中では常に考えていて、一度火がつけば力を発揮するタイプ……それが偏印と言える。
こんな感じで、今回のお話は偏印のざっくりとした解説でした。要するに、偏印は「自分のやり方で研究・技術を究める星」で、時間はかかるけれどすごい成果を出せる可能性がある――といったところですね。
(音楽SE終)
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