[音楽SE]
ええ、今回は11番目になりますね。さあどうしようか(笑)。「食神・傷官・偏印、さらには平官(※ここでいう“平官”は平凡な官のこと? それとも“平間・평간”の転写かもしれません。原文で混在しているため、以下まとめて“平官”として表記しておきます)――いわゆる“悪い(嫌われやすい)10神”をどう見るか」という話です。
昔なら傷官や偏印、さらに偏官(こっちは“편관”)もそうですし、
「平官(※原文 ‘평방 편의’ とあるが、ここでは ‘평관 편인’ が混ざっている感じ)なんかは…なんだかよくないぞ~」って言われてきたもので。
要するに昔の名残だと「傷官や偏印はよくない、偏官もあんまり」とか「劫財だってあまり良くない」とか、そういう伝統的な評価があるけど、
そのなかでも「傷官・偏官・偏印」というのは昔だといっそう良くない扱いがなされてきたというわけ。いわゆる「悪者」呼ばわりされるような、そういう10神でした。
でも、現代社会ではむしろ、この3つを持っている人が案外良いポジションを得ている、うまくやっていることが多い――そういうことを今回話そうというわけですね。
(傷官・偏官・偏印は昔は嫌われ者だった)
昔々の王朝時代、たとえば傷官のある子供が生まれたり、あるいは偏官っぽい子が生まれたら、どうするか。
場合によっては“あいつは7殺(칠살)持ちで危ない”とか言われて、よその国に人質に出されることもあったかもしれない。
そういった感覚が残って、「傷官は反逆者、すぐ逆らうからダメ」とか、「偏官は殺伐で乱暴な気がするからダメ」「偏印は役に立たん」とか、いろいろありました。
しかし現代社会で考えると、別に悪者扱いする必要がないどころか、そういう気質が案外社会に合っていて成功する例が多いわけです。
(たとえば昔なら)
- 傷官を持つ子は、頭がキレるけど権力を嫌がったり、上に逆らったりするので危険人物とされた。王族の子なら「こいつはやばい」と国外へ追放する場合もあった。
- 偏官を持つ人は力まかせ・武断派なので、昔なら“剣でも握らせて前線へ行かせとけ”みたいな感じ。下手すると「乱暴者=賤業」と見なされることもあった。
- 偏印を持つと、当時の社会では「専門分野じゃない奇妙な才能に走るやつ」というイメージで、食べていけず貧乏になる人も多かった。
ざっくり言えば、そんなふうに昔は嫌われがちだった10神なのに、現代になれば状況がまるで変わる――という話です。
(現代ではむしろ美味しい存在?)
現代社会では、傷官・偏官・偏印を持った人たちは、むしろ“他人の目なんか気にせず我が道を行って、よく稼いでいる”というパターンが多い。その理由が何なのか、これから説明したいわけですね。
たとえば昔、傷官や偏印や偏官が「弾圧対象」だったのは、王朝やら支配階層からすると危険で目障りだから。でも現代はそうじゃない。
よく言われる“お上への疑い、批判力、もしくは革新的な発想”っていうのが、むしろビジネスやアート、あるいは政治でも有利になることが多い。
(傷官の例)
傷官はとくに“新しいもの”を好む。過去のやり方に異議を唱え、改革を起こす。昔なら「逆らうやつめ!」と殺されたかもしれないが、今はイノベーターとして大成できる人も多い。
ただし傷官の人はよく“他人と言い合いになりやすい”傾向があり、衝突が絶えないために苦労もする。でも、それをビジネスに転じて成功すれば社会的に評価されるわけです。
(偏官の例)
偏官(七殺)は“攻撃性、武断性”などと昔は言われて、乱暴者扱いされたかもしれない。
しかし今の社会なら“軍人・警察・検察・司法”等の職、または企業内でもリーダーシップを発揮してガンガン引っ張るタイプとして重宝される。
とはいえ“過度に乱暴”となると問題行動にもつながるかもしれないけど、うまく使えばリーダー気質、実行力、統率力が現れるわけです。
(偏印の例)
偏印は“ひとつの専門ではなく、いろんなことに手を出す”とか、“発明家タイプ”とか言われる。昔は“役立たず”“中途半端だ”などと言われがちだった。
でも今の時代、マルチな才能や、独創的な創作分野で突出する人も多いわけです。芸術家や音楽家には偏印が多く、昔は飢え死にするケースも多かったが、現代はネットやクラウドファンディング等で活躍の場が広がる。そういう可能性もある。
(以上3つの10神、昔と今の逆転)
要は「傷官・偏官・偏印」は歴史的には“嫌われ役”だったけど、現代社会では“自分らしさを貫きやすい”というメリットが大きい。
政治や権力が個人を思うように弾圧できなくなり、民主社会ではむしろ、上を疑ったり、革命的アイデアを出す人材が重宝される。だからこそ昔だと“悪者”だった10神が、現代なら美味しいポジションで活躍しているわけです。
それでもまあ、道徳的に“善人”かどうかは別問題ですよ(笑)。
10神自体に“善い・悪い”はなく、使い方の問題ですし、社会状況との相性です。
傷官・偏官・偏印の人が皆良い人とは限らないし、その逆も然り。でも“社会適応力が高い”のが今の時代ということですね。
(結び)
ということで今回は、「傷官・偏官・偏印は、昔こそ迫害された(または貶された)けど、現代では意外とイケている」という話をしてきました。
政府や社会が言うことを鵜呑みにせず、疑問や批判を投げかけながら自分のポジションを確立できる人、そんなタイプが増えているのが今なんだ、と。
“悪い10神だ”と決めつけるよりも、実は現代に向いている特性だ、と結論づけるわけです。
[音楽SE] ええ、こんな感じでおしまいですね。
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